電車やバスを利用する際に、Suicaのような交通系ICカードを使用している方は多いことでしょう。
買い物や引き落としなどにお使えて便利なカードですが、全国に10種類あるのをご存じでしたか?
ここでは、10種類のICカードについてまとめてみたので紹介していきます。
目次
交通系ICカード10種類
先ほどもお話ししたとおり、交通系ICカードは10種類あります。
多くの方はSuicaかPasumoを持っていることかと思いますが、かつては地域によっては使えなかった時代もありました。
しかし、2013年3月23日から相互利用が可能となったんですよね。
10種類のICカード一覧
Suica(JR東日本・東日本旅客鉄道)
Kitaca(JR北海道・北海道旅客鉄道)
TOICA(JR東海・東海旅客鉄道)
ICOCA(JR西日本・西日本旅客鉄道)
SUGOCA(JR九州・九州旅客鉄道)
PASUMO(パスモ)
manaca(名古屋交通開発機構・エムアイシー)
PiTaPa(スルッとKANSAI)
はやかけん(福岡市交通局)
nimoca(ニモカ)
Suica
JRグループでは、通常の切符に加え、磁気式プリペイドカードのオレンジカードや、イオカードを販売していました。
それらに代わり2001年11月18日からJR東日本管内で導入されたのが、Suicaでした。
登場したばかりの時は、JR東日本管内のみ使用可能でしたが、2007年3月18日からPASUMOとの相互利用が開始。
2013年3月23日から全国の交通系ICカードとの間で相互利用がスタートし、より便利に。
Suicaという名前は「Super Ueban Intelligent Card」の略で「スイスイ行けるICカード」という意味。
また、果物のスイカと語呂合わせをすることで親しみやすさを演出しています。
キャラクターのペンギンはイラストレーターのさかざきちはるさんがデザイン。
ちなみに、裏面右下に記載されている17ケタの英数字に「JE」は「JR East」から取られたもの。
今では当たり前のSuicaですが、登場した当時は革新的なものでしたし、持っていることがステータスといった雰囲気もありましたよね。
この技術は、ソニーが開発した「Felica」を採用しているとのこと。
Kitaca
JR北海道が2008年9月10日からサービスを開始したKitacaは、「JR北海道のICカード」ということで名付けられました。
Suicaと同じく、裏面右下の15ケタ英数字「JH」は「JR Hokkaido」から。
商標としては「キタカ」の他、「キタキャ」という謎名称も登録されています。
キャラクターのエゾモモンガは絵本作家のそらさんが担当。
TOICA
JR東海のTOICAは、2006年11月25日にサービス開始。
名前は「Tokai IC Card」の頭文字を採用。
公式マスコットの大小2羽のひよこは、大野真弓さんがデザイン、裏面右下英数字15ケタの「JC」部分は「JR Central」から取ったもの。
波状に塗り分けられているのは、東海地方の伊勢湾、遠州灘、駿河湾といった海岸線をイメージしています。
ICOCA
JR西日本が発行するICOCAは2003年11月1日スタートと、Suica以外では一番早く運用されました。
磁気式カードのJスルーカーを2003年をめどにIC化することが検討され、それがICOCAに移行。
名称は、「IC Operating Card」の略で、関西弁で「行こか」と掛けたもの。
裏面右下記載の英数字「JW」は「JR West」から。
キャラクターの「カモノハシのイコちゃん」。
SUGOCA
JR九州のSUGOCAは、2009年3月1日にサービス開始。
名称は「Smart Urban Going Card」の略で、肥筑方言の「すごい」である「すごか」を掛けたもので、「スッ!とゴー!でSUGOCA」とCMなどでは紹介されています。
裏面右下の英数字15ケタ「JK」は「JR Kyushu」から。
キャラクターは、ロドニー・グリーンブラットの「カエルくんと時計くんの組みあわせ」から。
PASUMO
PASUMOは今まで紹介してきたICカードと異なり、JRグループではなく株式会社パスモが発行しています。
サービス開始は2007年3月18日で、当初からSuicaと相互利用が可能に。
Suicaのみの時代は、JR以外に乗車する際にはICカードを利用できない不便さがありましたが、PASUMOが登場したことで非常に便利となったのを覚えている方も多いのではないでしょうか。
それ以前は、JR以外の電車を利用する際にはパスネット(クオカードやテレホンカードのようなもの)がありましたが、鉄道会社によって使い分けるのは面倒でしたよね。
名前の由来は、前身のカードでもあったパスネット(PASSNET)の「PAS」と「もっと」という意味の「MORE」から。
「も」は「~も」という使い方もでき、「電車もバスもPASUMO」というキャッチフレーズが付けられています。
裏面右下の英数字は「パスネット・バスICカード」の「PASSNET BUS」からとった「PB」。
デザインは電通のクリエイティブディレクター小塚重信さん。
キャラクターのロボットには名前がありませんが、「PASUMOロボット」と呼ばれることが多いとのこと。
manaca
2011年2月11日からサービスを開始したmanacaは、エムアイシーと名古屋交通開発機構の2者が商標を持っています。
ただし、エムアイシーは「manaca」、名古屋交通開発機構は「マナカ」の表記に分かれている珍しいカード。
名前の由来は、「日本の真ん中」ということから来ています。
「日本の真ん中をつなぎ、くらしの真ん中をつなぐICカード」がコンセプトで、このキャラクターに名前はありません。
交通系ICカードのなかで、初めてマイレージポイントを採用ものになります。
裏面右下英数字「TP」は「Trans Pass」から取ったもの。
PiTaPa
2004年8月1日にサービス開始。
近畿圏で導入されていた「スルッとKANSAI」の後継システムとして展開されたPiTaPaは、「Postpay IC for “Touch and Pay”」の略になります。
キャッチフレーズは「ピタッとタッチするだけでパッとスピーディーに!」。
裏面右下英数字「SU」は「SURUTTO KANSAI」の最初の2文字から。
公式キャラクターは存在していないため、2013年の相互利用開始時に行われた東京駅でのセレモニーにはスルッとKANSAIの「スルットちゃん」が出席。
はやかけん
交通系ICカード10種類のなかで唯一ひらがなでの名前となっている「はやかけん」。
2009年3月7日に福岡市交通局が導入。
は:速くて
や:優しくて(環境や人に)
か:快適な
けん:券(カード)
という意味が込められた名称。
「速いから」を博多弁の「速かけん」と掛けたものでもあります。
キャラクターは特にいませんが、福岡地下鉄のキャラクター「ちかまる」がデザインされています。
裏面右下英数字「FC」は「Fukuoka Chikatetsu(Citysubway)」から。
nimoca
西日本鉄道の子会社・株式会社ニモカから、2008年5月18日に発行されたnimoca。
名前は「Nice Money Card」の略で、「バスにも、電車にも、買物にも、いろいろ使えるオールラウンドなカード」という意味合いも。
カード裏面英数字「NR」は「NISHI-NIPPON RAILROAD」から取ったもの。
イメージキャラクターのフェレットい名前はなく、デザインはplay set product。
どこでも使えるの?相互利用の変遷
ICカードが相互利用され、地域や鉄道会社をあまり気にせずに利用できるようになりましたが、これまでどんな歴史があったのでしょうか。
Suica運用開始からの変遷をまとめて見てみましょう。
2001.11.18:Suica発行
2003.11.01:ICOCA発行
2004.08.01:PiTaPa発行
2006.11.25:Toica発行
2007.03.18:PASMO発行(SuicaとPASUMO相互利用開始)
2008.05.18:nimoca発行
2008.10.25:Kitaka発行
2009.03.01:SUGOCA発行
2009.03.07:はやかけん発行
2011.02.11:manaca発行
2013.03.23:10種類の全国相互利用開始(142事業者が参加)
2013.06.22:札幌地区で全国相互利用開始
2014.03.01:神戸新交通、北神急行電鉄で全国相互利用開始
2014.3.21:山陽電気鉄道で全国相互利用開始
2015.03.14:JR東日本BRT区間で全国相互利用開始
2015.04.17:高槻市営バスで全国相互利用開始
2016.03.12:名古屋臨海高速鉄道、名古屋ガイドウェイバスで全国相互利用開始
2016.03.23:熊本地区各社で全国相互利用開始
2016.03.26:仙台地区各社で全国相互利用開始
2016.04.01:大阪空港交通、阪急バス、阪急田園バス、阪神バス、神姫バス、神姫グリーンバス、神姫ゾーンバス、ウエスト神姫、神鉄バス、尼崎交通事業振興、奈良交通、エヌシーバス、京阪バス、京都京阪バス、京阪京都交通、江若交通で全国相互利用開始
2016.06.10:能勢電鉄で全国相互利用開始
2017.04.01:多摩モノレール、横浜シーサイドラインで全国相互利用開始
2017.04.15:神戸市バス、神戸交通振興で全国相互利用開始
2017.10.01:岡山電気軌道、両備ホールディングス、中鉄バス(国道53号の岡電バスのみ)、下津井鉄道で全国相互利用開始
2018.03.03:高松琴平電気鉄道で全国相互利用開始
2019.01.29:君田交通で全国相互利用開始
2019.03.02:ことでんバスで全国相互利用開始
今後のICカードはどうなっていくのか
2018年9月25日、JR東日本、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ、JR東日本メカトロニクスの3社が、Suicaと各地域の交通系ICカードを1枚にまとめられる「地域連携ICカード」の開発をするという発表しました。
Suicaでのサービスはもちろんのこと、地域ごとの独自サービスも1枚で利用できるというもの。
2021年春のサービス開始を目指すとのこと。
未だ導入していない地域に対し、ICカードの導入を促す狙いがあるようですね。
相互利用を見送っている事業者は、導入するための費用や運用面での懸念が課題。
地域連携ICカードが完成すれば、Suicaのインフラをそのまま使用するためシステム費用を抑えることができ、今までの独自サービスも継続できることになるようです。
まとめ
交通系ICカード10種類について紹介してきましたが、みなさんはどのICカード派ですか?
将来は1種類に統合される流れになりそうですが、ネット上でも賛成の意見が多く見られるので期待している方は多いようですね。